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男が一人、肉を焼く理由

2021年が始まり早くも2ヶ月が経とうとしています。
いつだって時間はあっという間に過ぎ去ってしまうものですね。
人の減った地下鉄、物言わぬ隣人も同じことを考えながら電車に揺られているのでしょうか。

皆さんこんにちは。貴方の隣人FJです。

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さて、突然ですが私には幼い日に思い描いていた夢があります。
毎週火曜の夕暮れ時、母に手を引かれ訪れる地元のスーパー。
半額シールの貼られていく精肉コーナーの一角では
いつも大きなステーキ肉が値引きされずに鎮座していました。

愛する息子の為に経済的且つ健康的な食材を探す母をよそに
「大人になって自分で稼ぐようになったら、あの肉を買って贅沢に食べるんだ。」
幼い日の私は無邪気にそんなことを考えていました。
 

皆さんも同じように、昔思い描いていた夢はありますか?
それは叶いましたか?
そもそも、それらを今でも覚えていますか?
 

そんなことはさておき!先日無性に肉が食べたくなりました!
終業直前には口の中に溢れる肉汁のことで頭がいっぱいで
「今日も一日頑張ったし、今夜はステーキにしよう!」決断はすぐでした。
今ある小遣いで最高のコストパフォーマンスを実現すべく、退社後足早に向かうは近所のスーパー。

綺麗なサシの入った国産和牛もいいですが、ここは敢えてのアメリカ産ビーフを購入します。
今の私に必要なのは野性味溢れる赤身と暴力的なウェイト(厚み)なのです。

「早くアツアツに熱したフライパンでこいつを躍らせたい!!」
そんな逸る気持ちを落ち着かせ帰宅後、肉を常温に戻しつつその間に付け合わせを作ります。
Rが付くまで面取りを施したにんじんはバターと砂糖、塩で丁寧にグラッセに。
その他ジャガイモやローズマリーも丹精込めて下ごしらえしていきます。


※面取りをした際、必然的に出た端くれはサラダにしています。

身の丈に合ったお金と時間と手間なら惜しんではいけません。
これが大人のやり方です。
 

準備が整い肉が常温に戻ったら、いよいよこの凶悪なステーキ肉に焼きを入れてやります。
精神統一心頭滅却火もまた涼し火のないところに煙は立たnジュジュジュジュワ~~


 

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

理性の欠片もありませんね。それでいいんです。夢を追うことは合理性だけでは量れません。
表面がしっかりと焼けて中にじんわり火が通ったら、アルミホイルに包んで焼きなましを施してから盛り付けます。

この夜、私は幼い日に思い描いた夢の一つを叶えました。
 

冒頭で皆さんに夢をお聞きしました。
夢を実現するには様々なファクターがあり一概には言えませんが、
・体系的な計画、構想を立てること
・実現する為の能力があること
・実行する為の行動力があること
などがあげられ、それらはどれもとても重要なことです。
そして私は今回の経験から最も大切なことを学びました。それは・・・
 

夢を思い描いたあの日の気持ちを忘れないこと。
 

きっと一番大切で、一番難しいことだと思います。
時代はこんな状況です。その日を生きることに精一杯で夢を見る暇もないかもしれません。
時の流れが早すぎて気付けば取り返しのつかないところまで来てしまったと、
そう感じることもあるでしょう。
ですが私は何度でも言いたい。
「遅すぎると思った瞬間が一番早いスタート」なのだと。
そう、Twitterに書いてありました。

最後に、親愛なる母さんへ。
国産の食材にこだわり健康に育ててくれてありがとう。
輸入物に手を出してしまったことをお許しください。
もうすぐ春ですね。私は今、この街で元気に暮らしています。
それではまたお会いしましょう。貴方の隣人FJでした。

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